私道って安くて魅力的なんだけど、本当に購入して大丈夫なの?

新築購入後にご近所トラブルは避ける為に私道のチェックポイントってあるの?

怖いですよね。

実際私が体験してきた私道トラブルのまとめは以下のツイート通りです。

今回は、上記のツイートを深堀しつつ、実際に私が建売デベロッパー時代に起きたトラブル事例を元に解説していきます。

この記事を読む上での注意点

これらのトラブルは購入前に対策(確認)を念入りに行うことで、トラブル回避はできると思います。

しかし、100%うまくいくわけではなく、ある程度の妥協点&近隣住民との関係性が必要になるでしょう。

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知らないと危険。私道トラブル5選とは?

私道持分を持っていない。

元々地主が持っていた1つの大きい土地を分筆(細切れ)し、道路持分を地主だけが所有している為、私道に接しているにもかかわらず私道持分を持っていない物件があります。

このような1人が私道の持分を持っている土地を購入してしまうと、契約当事者だった時には全く問題が無かったはずが、世代が変わり私道所有者が変わる事でトラブルに繋がるケースあるのです。

この事例を象徴する大きな私道トラブルとして、長崎市青山町の私道通行止め問題があります。

原因は売却時に私道1200坪の前所有者が私道を譲渡しようとした際、市がこれを拒み、不動産会社が私道の新所有者に変わった故のトラブル。

もし、対象私道の持分を均等に保有していれば通行止めには一切ならなかったでしょう。

 

私道トラブル回避&対抗するためには私道持分は必要であり、出来れば全員同じ持分であるのがベストです。

大月
建売業者などが販売する分譲地の道路(位置指定道路1項5号)の物件は、私道持分1/1を分譲地の数で分母わけした持分が貰えるので問題ありません。

私道の掘削承諾が所有者全員分から取れない(意地悪する人がいる)

 

私道の掘削承諾書とは文字の通り、私道所有者に対して掘らせて頂く承諾書のことです。

え!「私道なんて掘らないし」って思うかも知れませんが、私道に接している土地に家を建てる際、家に引き込む(水道管・下水管・ガス管(プロパンなら関係なし))を公道→私道→家と引っ張ってこなければなりません。

つまり、掘削承諾書を所有者から貰えないと、公道から建築中の家までに引き込めなくなりますから、実質建築が不可という扱いになるので、必ず貰わなければならないのです。

 

一般的な私道所有者の方であれば、自分が建て替え時に協力して貰う為にも押印をしてくれるもの。

しかし、残念ながら意地悪して「判子押さないよ!お金くれ!」って言う人も居るのです。(拒むことで自分の物件の価値を下げることにもなるのに・・・ってマジで思います。)

 

植木や車が放置・私道の舗装管理

私道は道路とは言え、私道所有者の土地に変わりがなく、道路が破損及び、粗大ゴミや車放置をされるとその私道所有者で対処しなければなりません。

道路破損の場合は、市役所に申請することで補助金が出る物、全額費用負担の場所は限りなく0なので費用負担する必要があります。

 

ここまでは私道管理及びすぐに起きない問題ですが、ここからが本題。

 

私道所有者が自分たちの土地だからといって、植木を置いたり、酷い場合は車を人の家の前に駐車して「ここ私道だから」とドヤ顔する輩がいると言うこと。

私道の厄介なところは、道路交通法で適用されないという事です。

道路とは?
「道路」とは、道路交通法第2条第1項第1号で以下の①から③とされています。

道路法第2条第1項に規定する道路
一般交通の用に供する道で、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道をいいます。

道路運送法第2条第8項に規定する自動車道
専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道で①以外のものをいいます。

一般交通の用に供するその他の場所
1、2以外で不特定の人や車が自由に通行することができる場所をいいます。
(不特定人の自由な通行が認められている私道、空地、広場、公開時間中の公園内の道路等)

出典:警察庁

警視庁の道路交通法を引用しましたが、ポイントは赤字の私道の解釈である(不特定多数の通行)という部分。

公道と公道の間にある通り抜けが出来る私道の場合は道路交通法が適用出来ますが、問題は以下のような私道に車が止まっていたら厄介・・・

通り抜け不可の場合は、不特定多数の通行が認めらない私道に車を止めて駐車違反で警察に言おうとしても認めて貰えないので要注意です。

大月

過去に販売していた私道位置指定に接する土地で販売していた際、近隣住民の警察官がこの制度を上手く利用して子供の車を私道に止めっぱなしにする酷い人がいました。

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私道の無断駐車で困ったときの対処法

 

過去に私が行った方法は、長時間無断駐車の罰則に当たる車庫法で相談したことがあります。

別名、青空駐車法とも呼ばれる物で、昼間8時間以上・夜12時間以上放置して車を駐車していると、道路交通法ではなく、迷惑行為として取り扱われるという物です。

道路交通法では無いので、駐車違反による点数減点などはありません。

しかし、迷惑行為が酷い場合、最悪逮捕までになるので「持分を持っている私道だからとめてOKだぜ!」っていう誤った認識をしないようにしましょう。

自宅近くの私道を車庫代わりに繰り返し駐車したとして、大阪府警南堺署などは28日、車庫法違反の疑いで、堺市南区の建設作業員の男(21)を逮捕した。「(駐車場を借りる)金がなかった」と容疑を認めているという。

男は過去に現場付近で駐車違反を17回繰り返しており、他の違反分も含め総額約50万円の反則金を滞納しているという。

大月
車庫法で話が付かない場合は、民事訴訟→裁判って形になりますね。
防犯カメラなどで駐車記録を残しておかないと現実厳しいでしょう。
ちなみに私は弁護士保険に入っていますよ。

固定資産税の問題。

 

私道は道路では無く、市や区によっては私有地として固定資産税を課税する恐れがあります。

通常道路の場合は固定資産税が非課税になるのですが、私道の登記簿上で「宅地・雑種地」などで投棄されている場合、固定資産税が発生してしまうので要注意。

この固定資産税によるトラブルポイントが2つ。

私道の固定資産税によるトラブル
  • セットバック部分の支払い
  • 私道所有者の固定資産税の立替え

1つずつ解説します。

セットバック部分の支払い

道路中心線から2m無い私道(位置指定道路)の土地を購入すると、セットバックが必要になるのですが、宅地の状態でセットバックをすると、道路なのに固定資産税が発生してしてしまうのです・・・

本来税金が掛からないのに、年数千円とか取られるのがいやですよね。

建売業者が引き渡し前にセットバック部分の地目変更を行わないと、翌年or再来年にセットバック部分の固定資産税の支払い徴収が来るトラブルがあります。

大月
建売業者もセットバック部分の地目変更は義務ではないんですけどね。
過去にセットバック部分で7,000円取られる案件があったので、その際は流石に上司に相談して地目変更を行ったことがあります。

私道所有者の固定資産税の立替え

複数人で私道の持分を持っていた場合、固定資産税の請求がそれぞれに来るかというとそんな事はありません。
一般的には私道の持分を一番持っている人。
もしくは、私道の持分が全員同じだった場合は地番が一番若い所に代表して固定資産税の請求が来るのです。
役所からして見れば、全員分に私道の固定資産税の請求すると非常に手間が掛かりますので、代表者に払って貰うのが一般的。
ここで問題になるのが、代表者が建て替えた際、他の私道所有者が払ってくれないという問題です。
私はこの手の問題とは関わったことがありませんが、トラブルになる1つの可能性として知っておくのが良いでしょう。

大月
私道で固定資産税が請求されない解決策がありますので、ご安心ください。

役所にも登録されていない。住民同士で決めたルールがある。(ごく希。)

一般的な私道のトラブルは上記の4つです。

しかし、私が1度体験した役所の道路相談履歴もなく、私道所有者の昔からの住民によるオリジナルが存在している場合があります。

私が体験した私道所有者同士で決めたルールは、「家に車を止めてはいけない!」ルール。

 

簡単に言えば私道の車通行NGにする為、「車を家の車庫に止めるな!」っていう個人の土地の使い方に使用制限を求めるという、ハッキリ言ってふざけたルールでした。

これは本当に厄介。

 

なんせ調べようがありませんから。

私道所有者に話しを聞くと、売るのを知られたくない売主様に迷惑が掛かります。

 

近隣住民を無視して、知らなかった体で売ってしまうのも1つの手でしたが、購入後の近隣挨拶で知った手前トラブルを避ける為に4LDK+車庫から5LDKに変更して売るという計画に変更することでなんとか売り切ることが出来ました。

こんなことは滅多にありませんが、0ではありません。

ここまで4,000字と長くなりましたが、いよいよ5つのトラブル回避対策について解説します。

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私道トラブルを回避するための対策

私道持分を持ってない物件を買わない&もしくは持ち分の一部を売ってもらう

結論から言います。

私道持分無しの案件は買わない。

これでOKです。それ以上・それ以下でもありません。

私道持分無し=弱い立場なわけです。

私道持分無し案件を購入すると、仮に通行権は問題なくクリアになったとしても、私道の掘削承諾書を取得するのに費用を請求される可能性が大。

逆に私道の持分を持っていれば、他の私道所有者から意地悪されたとしても、やり返すことも出来ますし、それがかえってトラブル抑止力になります。

 

私道持分を売って貰える人がいるのであれば、どんなに持分が少なくても良いので、購入するのをお勧めします。

大月
不動産投資で利回り重視の為の安い仕入れであれば1つの手かもしれません。
特に入居者さんが車を使わないのであれば、持分無し案件も1つの手段と言えるでしょう。(私道負担によるランニングコストも無いので)

購入前に私道の掘削承諾書を見せてもらうか、契約後取得できない場合は解除条件にする(新築注文の場合)

 

注文住宅を建てる為に私道に接する土地を購入するのであれば、必ず私道所有者全員(最低でも掘る箇所までの私道所有者)の掘削承諾書を入手すべきです。

もし掘削承諾書を取得せず、新築を建てようとしても、私道が掘れない=ライフライン入れられないで建物を建てることが出来ません。

建物が建てられないなら土地を購入したい意味がありませんし、つなぎ融資の金利負担でかえって負債化します。

 

家を建てる為に契約する場合は、契約前に通行掘削承諾書があるかを確認しましょう。(出来れば原本)

もし早く契約しなければならない状況だった場合、通行掘削承諾書を取得できなければ解約する旨の特約を入れておくのが安心です。(建売屋はコレで契約します。)

 

昼・夜・雨の日・平日・休日の私道の状況をすべて見る。(トライアングル調査)

昼間は綺麗な私道なのに、夜や休日になると車・バイクを無断駐車されたり、砂利道の私道だと雨の日の水はけが悪く大きな水たまりが出来てしまったりと・・・

最初にみたベストの状態の物件から大きく異なることはあります。

購入後思っていたのと違うというギャップが生まれるのは、時間・曜日・天気の3つの顔を見ずに判断してしまった点が最大の原因です。

物件購入後のギャップを起こさないためには、池田さん著書の不動産の教科書にあるトライアングル調査を使うべきでしょう。

以下のツイートをご覧ください。


このトライアル調査は私道よりも、住宅時の物件で使うと大きな成果を出すことが出来ます。

例えば、仕事休みにみたオープンハウスでは住みやすいと思った家でも、平日になると前面道路の交通量が多かったり、近隣施設の営業時間による騒音によるトラブル回避に役立ちます。

地味ですが、不動産購入で大きな成果を上げる方法なので、何千万の買い物で失敗したくない人こそ、実践してみることをオススメします。

ちなみに下記の本を読むと、新人不動産営業マンよりもレベルが高くなるなりますよ。

 

私道を公衆用道路に地目変更する

 

私道を敷地利用同様に扱うと、固定資産税を請求されてしまいます。

私道を非課税にするためには以下の条件を複数満たす必要があります。

ア 道路の起終点がそれぞれ別の公道に接しているもの
イ 道路全体を通して道路幅員が 1.8m程度以上あるもの
客観的に道路として認定できるもの

出典:東京都主税局

おもに3つですが、アについては、通り抜けを前提としている私道のため、建売業者が販売している位置指定道路(袋地)案件でアを満たすことが出来ません。

そこで手っ取り早く私道に対して固定資産税を課税されない為にやるべき方法は、私道を公衆用道路に変更する事、すなわち地目変更をすることです。

地目変更をすることで、私道に対し固定資産税を請求する市役所が、道路利用している事を判断出来ますので、結果私道が非課税になります。

地目変更は自分たちでも出来るのですが、手続きと必要書類があるので、土地家屋調査士に2万~3万程度で行って貰うのが一般的です。

大月
地目変更で公衆用道路に変更しても、私道にポールを立てたりすると、不特定多数が使えない道路=私有地として固定資産税を請求される場合があります。

近隣私道所有者の利用状況を見る。(車の通行ができるか?が重要。)

 

私が体験した私道所有者同士で決めたルールは、「家に車を止めてはいけない!」ルール。

これを購入前に知るためには、私道所有者が車通行しているか?否かを事前に調べておくのが1つの方法だと考えられます。

その案件の私道所有者の家は全て車庫無しだったんですよ。

ここに不思議と気がつかなかったのが失敗でした。

私道内住宅に車庫が一切無い場合、車の通行が制限されている可能性があると思っておくのがトラブル回避に繋がるでしょう。

これは反省点です。

まとめ:私道トラブルは多いが、安いのが魅力!私道1つ1つでリスクが変わるので、リスクが少ない私道を買えると逆にチャンスかも

私道は不動産屋でも非常に難しい案件ですが、トラブル内容を理解しつつ、私道所有者の関係者が少ない私道物件は逆にチャンスかも知れません。

トラブルになる確率も関係者が少ない分減りますし、更に言えば公道に接する土地より200万~300万円安くなるわけです。

建物に拘りたい注文住宅を建てたい人にも立派な選択肢ですし、自分が住む事を前提としない不動産投資の場合、購入価格が安く利回りUP(CF)に繋がるチャンス。

 

良い物件(公道+南道路)は高いのは当たり前です。

だからこそ私道=絶対買わない!ではなく1つ1つの私道の権利関係・リスク・トライアル調査を行い、総合的に判断すれば、価格が安いのに良い土地・物件が購入出来るでしょう。

リスクが少ない私道を買えると逆にチャンスかもです。

今回は以上になります。

 

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